collection of works
Publication September-December 2022
ASHIO ハヤシシゲミツ A4判40頁
足尾は銅山の町として知られる。 1973年の閉山後、足尾銅山観光などを 中心に観光地として、また晴天の渡良瀬川の河原 には水辺で楽しむ人々で賑わいを見せている。 車を停めてひと気が少ない商店街を進む。 渡良瀬川のせせらぎ、鳥の声。 かすかに聞こえる地方局のラジオ。 懐かしい匂い。そこに今も暮らす人々の気配。 そして失われた時間の痕跡。 8月の足尾は気温25°Cと過ごしやすく 撮影は夕刻まで続いた。
2022年8月6日 足尾にて
WE SHALL BE RELEASED タカギトオル B4判32頁 糸綴じ製本
俺な、世の中のだいたいのひと しょうもない常識とか固定観念みたいなもんに 囚われてさ、もっと自分を開放してさ、主張すればいいと思うんよな。 と彼は言う。Y氏68歳。自分の写真で本を作りたいと言うので週末に 生家を改造したBARで店主をしながら朝から飲んだり歌ったりしている 彼の秘密基地みたいなところで撮ることにした。
キャプションより抜粋
角谷昭二 1976 As a golden age A5判24頁
神戸の春日野道商店街。阪急の駅近くに、のぞみ青果店はある。青果店といえば野菜や果物を扱うお店と思うのだが、実際は個性強めの居酒屋的なお店であり、初めて訪れた際に店内で飼われているウズラを眺めながら一杯やるのはなんともいえない感覚でどこか懐かしいものであった。さてなぜ、のぞみ青果さんの紹介なのかというと今回紹介する写真家、角谷昭二さんはこの店の店主であるからだ。名門神戸高校の写真部の部長という経歴を持つこの店の大将は店内に高校時代に撮影した作品を壁一面に張り巡らせていた。そこに写るものは青春の群像であり、卒業アルバムをめくる時のような少々の照れくささと、ともに押し寄せるこの時代に対する憧憬。昭和、平成、そして令和。時代を超えて出現した傑作写真集。ぜひご覧いただきたい。
文 ハヤシシゲミツ
TOKYO 1961 高木松寿 A5判72頁 無線綴じ製本
日本がまだ貧しかった昭和30年代。街中で光り輝いていたアメリカ車。 これらの写真は60年前、中学生だった私が父親の写真機を借り東京中野 の自宅周辺で撮ったものです。1964東京オリンピックに向けて都心部 は工事に伴い喧騒に満ちていました。しかし、中野あたりはまだまだの どかな武蔵野の面影を残していました。これらのクルマと背景に、時代 を感じ ていただければと思います。 作者キャプションより。
THE END OF THE NATION イヌイジュン A5判60頁
伝説のパンクバンドTHE STALINの元ドラマーで現在もミュージシャン にして建築家、そして画家でもあるイヌイ氏の複合的な視線でとらえら れた写真集。momentで編集、デザインをお願いしているタカギトオル 氏の紹介によりmomentから出版していただく運びとなりました。 イヌイジュンTHE END OF THE NATION A5判60ページ 下記の作品紹介文はタカギトオル氏のFacebookページから引用。 「政治家と結託して」作られていく「真新しい建築物」に興味が失せた と本文で語るアンチバシーに満ちたイヌイの視線は、わざとらしくなく 経年を醸しながら佇む街角や、人が住み日々の営みのなかで朽ちていく 古家に注がれる。通りすがりにiPhoneでイッパツ」という写真群だが、 ただ表層的な「いい風景」というだけではない、風刺精神と審美感覚が 底流にある秀逸なスナップになっている。 11/26から阿佐ヶ谷ギャラリー白線にて開催されるイヌイジュンの画展 「On Sunday Morning」にて販売開始です。