collection of works

Publication January-2025

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the liminal city 山形紗織 A4判50頁

その一瞬、私の無意識は何に反応してシャッターを切らせたのか?

写ったイメージを媒介に、私は無意識の中に潜っていく。

深海の澱みを、あぶくを、そこに潜む混沌を炙り出していく。

街には数多くの人間が行き交う。寄る辺ない心持ちでファインダーを覗く、

私の目は人々の意識の海を見つめている。

 

フィルムを重ね合わせての合成やソラリゼーションなど、暗室技法を組み合わせて

作る創作的なイメージには、無意識と意識.作為と偶然が絡み合う。

私には、その混沌としたイメージこそリアルな街の姿のように感じられる。

 

作者キャプションより抜粋

 

2025-08-11 18:44:43
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猫街長崎編 長本淳A5判96頁 

 

江戸時代から貿易の街として栄えた長崎。
港にやってくるオランダ船には
ネズミ駆除のために猫が乗っていたという。
その末裔が血脈を伝える猫街でもある。
特に山面の古い街並みでは
多くの地域猫、外猫に出会える。
狭く迷路のような坂道は彼らにとって良き遊び場だ。
かつてのオランダ船に乗っていたのは、
東南アジアにルーツを持つ尾が途中で曲がっていたり、
先端が丸く縮まっている猫。
そのため長崎では「尾曲がり猫」が多く見られるのだそうだ。
幸運を鉤のようにひっかけてくるということで近年人気も高まっているらしい。
尾曲がりであってもなくても
猫たちが佇む姿は我々に幸せな気持ちを与えてくれる。
このささやかな幸福を多くの人たちに感じてもらえることを願いつつ
猫街長崎に思いを馳せる。

作者キャプションより

2025-08-11 19:09:12
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Destination イヌイジュンA5判モノクロ72頁

到着地

自由ないi移動は権力だ、という主題で絵画展を開いている。

到着地をいかに花の都に感じようがそれは所詮徒花、

金をかけて到着は絶望であるかもしれないぞという

旅なんかに金をかけられない者のやっかみ半分、

行っちゃえる奴への脅し半分がテーマだ。

そんなオレでも偶に呼ばれれば各地へ出向くこともある。

見たことのない景色に出会えばやはり写真に収めたくもなる。

やはりやっかみなのだ。

人生はしばしば旅になぞらえられ、その到着地はすなわち死だ。

心して残り少ない旅を続けることだ。

作者キャプションより

2025-08-24 17:01:47
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