collection of works

Publication January- 2023

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池島 ハヤシシゲミツ A4判 52頁

長崎市の「池島」は、世界遺産の軍艦島(端島)

並んで、長崎県 のもう一つの主要な炭鉱の島とし

て知られています。西彼杵(にしそのぎ)半島の西側

沖合約7キロメートルの所にあり周囲は約4キロ

メートル。2001年に閉山されるまで 九州最後の炭

鉱だった池島は、無人になってしまった軍艦島と は違って、まだ人々が生活を続けています。

1970年台の最盛期には約7800人の人々が島に暮ら し、生活できるように団地群が建設されました。

世界的エネルギー事情の変化により石炭の需要は 減り2001年に閉山。地元の方の話によれば島民の

数も100人をきったという。無人化し蔦が蔓延り廃 墟化してゆく団地群はまるでオブジェのような怪

しい魅力を放っています。

炭鉱の島に残された時代の痕跡を探った2日間の 旅の記録。

文 ハヤシシゲミツ

2023-05-29 17:54:59
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猫街 阿倍野編 長本淳 A5判 46頁

極めて私見だが、猫がいる街はいい街だと思う。

彼らが生きることを許容する空間と人々の温かみがある。

大阪の阿倍野もそんな街の一つだ。

しかし、老朽化で打ち壊されていく建物同様に

子孫を残せない街猫・外猫たちは消えゆく運命。

昭和以前の匂いが残るこれらの風景も、ここに住む猫たちも

近い将来には見ることができなくなるだろう。

だからこそ、今日も猫たちに「元気か?」と挨拶しに路地へと出かける。

作者キャプションより

2023-06-01 21:45:28
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Nostalgia イヌイジュン

前回の政治的なタイトルから一変、今回の続編のタイトルはなんともおセンチなものとなった。

世界の終わりだ、と叫んだ半年前はまだ叫べばなんとかなるのでは、というほんの微かな希望があったのだろう。

もはやそんな希望すらない。あちら側では内外の政治のでたらめ、一方こちら側に目を向けると「弱者」や「地球環境」に寄り添うポーズの善人面したファシストだらけ。手を付けられない。ノスタルジアに浸るのは老人の悪癖。だけどもうこうなれば後ろを向かざるを得ないのではないか。アンドレイ・タルコフスキーの同名作品のようにせめて最後は故郷の森の霧や雪景色を夢みたかった。

Nostalgiaは過去への郷愁だけでなく未来への諦念の意味を隠し持っている。

 

本文エピローグより抜粋

 

 

2023-09-06 18:12:27
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moment作品紹介其の17 空の下Ⅰ 髙木松寿 B5判モノクロ205頁

 髙木松寿の写真には光と影、白から黒への世界の中に無限の時間を封じ込め静止した濃密な凝縮があり真昼の太陽も夜の闇の中に吸い取られていくような異次元の世界が私を戦慄させる。その現出した風景は、遙か彼方から続き未来永劫に普遍であるような時間を感じさせない空間として昇華され鋭利に切り取られた風景は髙木独自の精神世界を形成する。

以上の文章はグラフィックデザイナー永井一正氏が、髙木氏の作品を評したものです。

2023-09-06 19:12:20
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moment作品紹介其の18 空の下Ⅱ 髙木松寿 B5判モノクロ205頁

 私の作品のそのすべての原風景はいつも心のどこかにある。ある「モノ」に心を惹かれ歩み寄るときファインダーに息づく光と影は私にとって既視感の世界なのだ。心の肖像が浮かんで来たからだろうか。私はそのシーンの追体験に漆黒の闇と白との階調にすべてを託す。私は、私のモノクロームの領域で時を透明化する。

作者キャプションより

2023-09-06 19:15:10
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