collection of works
Publication 2025
猫街 東住吉編 長本淳A5判カラー98頁
大阪市の南東部に位置する東住吉区。
区域の9割が住宅地であることも関係あるのか外猫を多く見かける猫街の1つだ。
猫たちの遊び場である古い建物なども減りつつあるが
よく目を凝らせば、彼らがのどかに昼寝したり
じっくりと下界を観察したりのんびり散歩する姿に気づくことができる。
猫のいる風景が与えてくれる幸福のひととき。
しかし、そのささやかな時間は決して当たり前ではない。
力強く生きる猫たちに、彼らを世話する人たちに
そして猫を包み込む街に感謝しつつ
この幸運な瞬間を記録し続ける。
作者キャプションより
朝の光と夜の灯 タカギトオル A5判モノクロ120頁
momentから出版された写真集のデザインを多数手掛けてきたタカギトオル氏の最新作。
写真、デザイン、編集、文全てが作者自身によるもの。
夜の闇を照らす柔らかな光に、
過ぎた時間を胸に刻んで眠りにつけば
朝の陽光がまた新しい日の始まりを告げる。
作者キャプションより
旦過市場記憶の街 ハマダユキヒコA4変形判カラー68頁
作者がキャプションに書いている通り、この作品の始まりは、雑誌に載っていた一枚の風景写真だった。
写真を見て「行ってみたい」と心が動くのは、ごく自然なことだと思う。
そして実際に旦過市場を訪れたハマダ氏は、その場で感じた空気や気配を、素直にすくい取るように記録しているように感じられる。
そして今回「旦過市場 記憶の街」としてまとめられた。
その後、旦過市場は不幸にも二度の火災に見舞われ、多くのものが失われてしまう。
時の流れとともに街が姿を変えていくことを、私たちはよく知っている。
それはごく自然なことだ。しかし、その変化が突発的な出来事によってもたらされた場合、
その街で暮らす人々にとっては容易には受け入れがたく、深い衝撃として記憶に刻まれる。
この文章を書いている私自身も、阪神の震災によって故郷の街が劇的に変わっていく様子を目の当たりにした一人である。
ハマダ氏も文末にしるしているとおりあの場所で息づいていた人々の営みが、新たな景色を育てていく事を心から願いたい。
ハマダ氏によって記録された旦過市場の写真は我々により多くの記憶を正確に伝えつづけるだろう。
文 林 成光